コラム

大腸カメラが怖くなくなる!痛くない挿入法の秘密

大腸カメラに対して、「きつい」「痛そう」「なんか怖い」といったイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。実際に過去に受けた検査でつらい思いをされた方もいらっしゃると思います。

中でもよく聞くのが、「下剤を飲むのが大変だった」というお声です。確かに、下剤の量や味、トイレに何度も行くことなどが負担になることは少なくありません。

ただ今回は、**下剤のお話ではなく、大腸カメラの「挿入」**についてお伝えしたいと思います。

まず知っていただきたいこととして、大腸カメラの挿入は、胃カメラに比べて格段に難しいという点が挙げられます。

胃カメラは、基本的にはまっすぐな食道から胃へと進んでいくため、比較的スムーズに挿入できることが多いです。一方、大腸は長くて曲がりくねった構造をしており、個人差も大きいため、内視鏡を挿入するだけでも高度な技術が求められます。

この「挿入の難しさ」が、痛みや不快感、検査のつらさにつながっているケースが少なくありません。

大腸カメラは肛門から直腸→S状結腸→下行結腸→横行結腸→上行結腸→盲腸(→回腸)まで挿入します。

図を見てわかるように、大腸はまっすぐではありません。

それに加えて図ではわかりにくいと思いますが、S状結腸と横行結腸は周囲に固定されていないのでブラブラな状態になっています。特にS状結腸は赤丸と青丸の部分が屈曲しており、単純にカメラを押す操作ではスムーズに進めることが一番難しい個所となっています。                                                             

S状結腸の挿入について当院で行っている無送気軸保持短縮法浸水法について説明します。

カメラを単純に押すと図のように腸が伸びて上に突き上げるようになります。

こうなると先に進まなくなり、無理に押すと痛みがでます。

ですのでS状結腸の挿入では、腸を伸ばさず真っすぐなるように進めていかなければなりません。

腸を伸ばさずに挿入するために、当院では軸保持短縮法を行っています。

軸保持短縮法はカメラを右に回しながら押し引きすることで大腸を畳みながら進み、腸を伸ばさず真っすぐに挿入していく方法です。

腸を伸ばさずに挿入することで痛みをおさえることができます。

軸保持短縮法は習得することが難しく、習得するために数年の歳月がかかります

当院では軸保持短縮法に加えて、浸水法も行っています。

 

 大腸は襞が交互にあり、腸が潰れた状態になっていることがあります。その時はどこに進めばいいのかわからないので、送気することで腸の管腔を広げて見やすくします。送気をしすぎると腸が膨らむことによって痛みが発生しますし、挿入しにくくなります。

浸水法は送気の代わりに水を入れます。水には重みがあるため、潰れた腸を無理に膨らませることなく自然に広げることができ、腸のカーブも真っすぐに近づくため、内視鏡が進みやすくなります。また、送気とは違って水は必要な分だけ自分で注入できるため、入れすぎによる痛みを避けやすいというメリットもあります。

当院では鎮静剤・鎮痛剤を使用しており、そもそも痛みの少ない検査を行っていますが、腸が伸びすぎたり、腸が膨らみすぎると麻酔の効果を上回る痛みが発生するかもしれません。そのようなことが起こらない様に無送気軸保持短縮法と浸水法を駆使することで患者さんの負担をできる限り軽減しながら、より安全で快適な検査を行っています。

他院で痛い思いをしたり、検査が途中までしかできなかった方は一度ご相談ください。

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