肝臓外来
ピロリ菌は1994年に世界保健機関(WHO)から「確実な発がん因子」と認定されました。2014年には胃がんの8割がピロリ菌感染性胃炎が原因であり、ピロリ菌を治療することで約30%くらい胃がんの発生を抑えることができると報告がありました。日本では2013年にピロリ感染性胃炎に対しての治療が保険収載され、それ以降ピロリ除菌が盛んに行われています。しかし、ピロリ菌検査は胃カメラをしないと保険適応になりませんので、ややハードルが高くなっているかもしれません。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス
胃がんの死亡率は50歳以降徐々に増加することがわかっていますので、40歳代にピロリ菌の検査を行うことで、胃がんの早期発見と除菌による胃がんの予防を促進することを目的としています。
熊本市在住の40歳代の方は700円の自己負担でピロリ検査できますので概要を記載します(熊本市ホームページより)。
胃がんリスク検査
1.採血によるヘリコバクター・ピロリ抗体検査
2.自己負担金:700円
3.対象者:40~49歳の方
*対象外:ピロリ菌の検査歴または治療歴がある方(過去に一度でも検査を受けた方)、胃全摘後の方
4.当院は実施医療機関となっていますので、電話もしくはWEB予約をお願いします。当日受診もできますので、その場合は電話連絡をお願いします。
5.検査当日は住所、氏名、生年月日が記載してある身分証明書を持参して下さい(運転免許所・保険証など)。
***50歳以上の方は胃カメラによる胃がん検診の対象となりますので、詳しくは「ブログ:胃がん検診」をご覧下さい。***
*検査結果は約1か月後に郵送されますので、必ずご確認をお願いします。
検査でピロリ菌が陽性だった場合
ピロリ検査で陽性となった場合は、胃カメラを受けてもらいます。ピロリ菌は胃がんのリスクファクターなので、この時点で胃がんがないかを調べます。胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎のリスクファクターでもあるのでこちらがないかも検査します。その後、内服薬で除菌を行います。胃カメラ、除菌療法は保険診療となります。
*ピロリ菌・除菌に関して詳しく記載していますのでご参照ください。
この検査は胃がんの検査ではなく、胃がんになりやすいかを調べる検査です。陽性であっても必ず胃がんがあったり、今後胃がんになるわけではありませんが、陽性の方が胃がんの発生が統計的に多くなることがわかっています。
*出典:武田薬品工業株式会社HP
上記のデータでは陰性の方の発がんは0人になっていますが、実際には陰性であっても必ず胃がんにならないわけではありませんので、腹痛や胸やけなどの症状があるときは、胃カメラをご検討ください。