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内視鏡

胃がん検診

~胃カメラとバリウム検査どっちがいいの?~

熊本市では下記の対象者は通常より低料金で胃がん検診を受けることができます。

検査対象者場所料金
バリウム検査年度内に40歳以上になる方集団検診会場など1,000円
胃カメラ年度内に50歳以上偶数年齢になる方指定医療機関3,000円(*)

(*)組織検査などを行った場合は、保険診療分の追加料金がかかります

自己負担金が免除となる方
 ・年度末年齢が70歳以上の方
 ・生活保護受給世帯の方
 ・市民税非課税世帯の方

対象者がわかりにくい場合は、熊本市のホームページに対象年齢の早見表がありますので参照して下さい。胃カメラをご希望の場合は指定医療機関である成田クリニックへご連絡下さい。

当院は熊本県の胃がん検診の指定医療機関になっています。鎮静剤を使用した検査を行っており、きつくない検査を心掛けております。上記の対象者でない方は通常の費用となります。症状がある方は保険診療となります胃カメラの説明費用予約から検査の流れについてはホームページに記載していますのでご確認ください。

「ブログ:胃カメラはきつい?」も参照ください。

経鼻内視鏡も行っていますので、今までき胃カメラでつい思いをされた方はご相談ください。

詳しくは「ブログ:経鼻内視鏡もできます」をご覧ください

【胃がん検診についてはオリンパス社による「おなかの健康ドットコム」が動画で解説しています】

参照:「胃がん検診を受けましょう」 オリンパス「おなかの健康ドットコム」より

胃がん検診にはバリウムによる胃透視と胃カメラ(内視鏡検査)がありますが、以前はバリウム検査を行い、異常があったときに二次検査(精密検査)として胃カメラをするという流れがありました。最近は、初めから胃カメラをしてもいいことになってきています。

では、胃がん検診を受けるにあたり、胃カメラとバリウム検査はどちらがいいのでしょうか

バリウム検査(胃透視)はバリウム(レントゲンで白くなる)を飲んで胃の形や表面の凹凸をレントゲンで撮影する検査で、胃カメラ(内視鏡検査)は細長いスコープの先端にカメラが付いており、直接胃の中を観察する検査です。同じ方のバリウム検査と胃カメラの画像を並べてみます。小さなポリープがあるのですが、どちらがわかりやすいでしょうか。

胃透視
胃ポリープ(胃カメラ)

黄色い丸がポリープとなりますが、わかりましたか?

胃ポリープ (胃透視)
胃ポリープ(胃カメラ)2

どちらかというと胃カメラの画像の方がわかりやすいのではないでしょうか。バリウム検査は色が白黒で、奥行きがわかりにくいのに対して、胃カメラはカラーでの撮影であり、直接みているので立体的な観察となります。色のわずかな違いと、微妙な凹凸に関しては胃カメラの方がわかりやすいです。また、胃カメラは青色の液体をかけて凹凸を見る色素検査と特殊な光で血管や表面の構造を見えやすくしたり、拡大内視鏡を使用した拡大観察を行うことができるのでより精密な観察が可能です。そして一番大きな違いとして、胃カメラは組織を採取することができます。これらのことから、胃カメラの方がより多くの情報を得ることができますので、胃カメラをお勧めしています。以前テレビ番組で芸能人が「スキルス胃がんは胃の粘膜の下に潜っており表面に顔を出さないので、胃カメラではわかりにくい。全体の形がわかりやすいバリウム検査の方がわかりやすい」と言っていました。一昔前までは確かにそのような風潮があったように思われますが、カメラ自体の性能とカメラを扱う医師の技術と知識の向上により、最近では胃カメラで見つけられないスキルス胃がんは減ってきていると思われます。

これまでの話では胃カメラの方がいいと思う方が多いと思いますが、どうしてバリウム検査が優先されてきたのでしょうか。 理由としては

①できる場所が多い(検診車による巡回もあり)

②費用が安い

③検査時間が短い

④検査を行う医療従事者が胃カメラより多い(放射線技師も検査できる)

などがあります。

健診センターに行ったことがある方はわかると思いますが、たくさんの人が色々な検査を次々に受けるためには検査機器や検査を行う人が多い方が沢山人数を捌くことができます。検査のスピードが速ければなおさらです。健診は病気の予防や早期発見が目的であり、多くの方に受けてもらうことを目標としています。健診センターから遠い方や、移動手段がない方などは検診車が便利であり、受診率を上げる役割を担っていたことも、胃透視が優先されていたことに関係しています。そしてそもそも胃カメラはきつい検査と思っている人が多く、実際きつい思いをしたことがある方も多いので、胃カメラを敬遠する方が多いことも理由のひとつと思われます。以前は鎮静剤を使わなかったり、太いカメラを使用していたので検査がきつかったことで胃カメラを敬遠される方も多かったと思いますが、最近では鎮静剤を使う施設も増え、経鼻内視鏡のような細いカメラが出てきましたので、検査も楽になってきております。

ここで検査の合併症や問題点を述べます。

胃透視:バリウムの内服による誤嚥・腸閉塞(稀)、レントゲンによる被曝(少量)

胃カメラ:咽頭麻酔・鎮静剤によるアレルギー、内視鏡による粘膜損傷、生検による出血

胃カメラの方がより詳しい検査ですので、そこまで多くはありませんがバリウム検査より合併症の頻度は多くなっています。(日本消化器内視鏡雑誌の2016年全国調査報告によると経口上部消化管内視鏡検査の偶発症は0.005%、死亡例は0.00013%となっています)

胃カメラの合併症の頻度はそれほど多くはありませんが、統計上死亡例もあることは事実です。実際どういう状況で死亡例がでているかはわかりませんが、検査前に胃カメラの内容や利点、合併症を説明を行い同意書を得てからしか行いませんので、不安などがある方は事前にご相談ください。

当院ではこれまでに総合病院や大学病院で検査・治療を多数行ってきた内視鏡専門医が検査を行いますので、精度の高い検査が苦痛なく安心して受けられるように心掛けております。

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