日本で約130万人の方がB型肝炎ウイルスに感染しているとされております。B型肝炎ウイルスも肝臓に感染し、肝炎を引き起こします。肝炎が持続すると肝炎→肝硬変と進行し、肝がんになる可能性がありますので早期発見・早期治療が必要になります。
感染経路:B型肝炎ウイルスは血液・体液を介して感染します。
垂直感染
出生時の母子感染
水平感染
傷のある皮膚への体液の付着
性行為
静注用麻薬の乱用
刺青
ピアスの穴開け
不衛生な器具により医療行為
出血を伴うような民間療法
その他
2016年4月1日以降に生まれた0歳児にはワクチンが接種されるようになりました。ワクチンにより抗体ができればB型肝炎ウイルスに感染しません。B型肝炎はC型肝炎と違ってウイルスを排除する薬はなく、現在のところウイルスの増殖を抑えて肝炎を鎮静化させる薬しかありません。治療薬はインターフェロンと核酸アナログ製剤の2種類に大きく分けられます。インターフェロンは病態によって24週もしくは48週間の投与を行い、奏効すればインターフェロンの投与終了後もウイルスが増殖することを抑えられますが、奏効率は30~40%と言われています。核酸アナログ製剤は耐性ウイルスがいなければ、薬が効いている間ウイルス量は抑えられ肝炎は起きなくなります。しかしインターフェロンと違って投与をやめると肝炎が急激に再燃し、命にかかわることがありますので飲み続けなければいけません。
B型肝炎は肝硬変になっていなくても肝がんを認めることがありますので、活動性が低いキャリアの状態であっても定期的な採血や画像検査が必要になります