肝臓外来
熊本市に在住の方で、肝炎ウイルス検査をしたことがない方は、委託医療機関にて無料で肝炎ウイルス検査を受けることができます。
*熊本県(熊本市以外)でも同様の制度があり、検査機関は保健所か委託医療機関となります。当院は委託医療機関ですので対象の方は無料で検査することができます。
【対象】
- 熊本市に住民票がある方
- 今までに肝炎ウイルス検査を受けたことがない方
【肝炎検査を受けることをおすすめする方】
- 1994年(平成6年)以前に、非加熱凝固製剤やフィブリノゲン製剤を使用された可能性がある
- 1992年(平成4年)以前に輸血を受けたことがある
- 過去に健康診断等で肝機能検査の異常を指摘されたことがある
- 肝炎ウイルスの感染について医師から指摘されたことがあるか、その他肝炎ウイルスに感染した可能性がある(針を共有するようなボディーピアスや入れ墨をした等)
- 家族に肝炎ウイルスに感染している(した)方がいる
【検査の内容】
血液検査で調べます
- B型肝炎ウイルス検査:HBs抗原検査
- C型肝炎ウイルス検査:HCV抗体検査
【検査を受ける場所】
熊本市が契約している委託医療機関(当院は委託医療機関です)
事前に検査を希望する委託医療機関にお問い合わせください
*当院でご希望の場合はWEB予約、もしくは予約なしでの当日検査も可能です。
持ってくるもの:保険証、運転免許証などの名前と住所がわかるもの
【検査結果】
医療機関から直接郵送もしくは面談
検査が陽性の場合は
まずは肝疾患専門医療機関でさらに詳しく検査する必要があります。
熊本県では肝疾患専門医療機関での初回精密検査の際にかかる費用の一部を負担する助成金制度があります。(検査後1年以内の申請が必要)
*当院は肝疾患専門医療機関です
【HBs抗原が陽性の場合】
B型肝炎ウイルスに現在感染していることになります。肝臓の状態(慢性肝炎、肝硬変など)と血液検査の数値、B型肝炎ウイルスの量によって治療が変わってきますので、血液検査と画像検査が必要になります。
【HCV抗体が陽性の場合】
現在感染している場合と、一度感染したが自然治癒した場合の2通りがあります。まずはウイルス量を測定し、ウイルスがいなければ現在感染していないので治療の必要はありません。ウイルスがいる場合は肝臓の状態と血液検査での肝機能によって治療法が変わってきますので、血液検査と画像検査が必要になります。
また、肝炎ウイルスに感染している場合は肝臓がんを発症している可能性もありますので、同時に肝臓がんの検査も行います。
B型肝炎、C型肝炎の感染があった場合は、それぞれ治療と定期検査が必要となります。熊本県では肝炎対策の一環として、初回・定期検査、B型肝炎に対しての核酸アナログ製剤治療、C型肝炎に対するインターフェロンフリー治療、肝がん・重度肝硬変に対する助成制度があります。肝がん・重度肝硬変に対する治療助成は指定医療機関(主に大学病院や地域の総合病院)で行いますが、その他の助成はすべて当院で実施することができます。
*助成の対象と要件はそれぞれで違いますので、詳しくは医療機関もしくは熊本県肝炎対策ホームページを参照ください。
当院には健康診断などで肝機能障害を指摘された方が受診されますが、B・C型肝炎ウイルスの検査を行っていない方には必ず検査で確認するようにしています。そして対象の方には熊本市が行っている無料検査を活用しています。
B型・C型肝炎ウイルスは感染することで慢性肝炎→肝硬変→肝がんへと進行し、肝がんの原因の多くを占めています。肝硬変、肝がんを発症すると治療に難渋することもあり、肝硬変に進展する前に治療介入することが必要になります。日本では2020年以降B型肝炎ウイルスの感染者数は若干減少し、C型肝炎ウイルス感染者は大きく減少すると予想されていますが、2019年の段階で年間4万人弱の方が肝がんに罹患しています。C型肝炎ウイルスは9割以上で排除が可能になり、B型肝炎ウイルスはウイルス量を抑えることで活動性をコントロールできるようになりましたので、病院を受診している方に関しては肝がんの抑制に今後はまだ診断されていない方を掘り起こす作業が重要となります。その施策の一つとして熊本市のB・C型肝炎ウイルスの無料検査がありますので、まだ検査したことがない方は一度検査をしてみてはいかがでしょうか。
*2015年の段階でB型+C型肝炎ウイルス感染者における潜在性キャリア+未受診キャリアの数は102~151万と推計されています。
当院は肝臓専門医が診療しており、検査を行う委託医療機関・肝疾患専門医療機関ならびにB型・C型肝炎の指定医療機関・治療実施機関になっています。その他、健康診断での肝機能異常や脂肪肝等の診療も行っていますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
肝疾患に関しての概要はホームページにありますので、興味がある方は肝臓外来ページをご覧ください。