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肝臓

FIB-4 indexとは?

FIB-4 indexとは「肝臓の線維化(硬さ)の進展度合いを評価する計算式」のことです。AST、ALT、血小板、年齢から算出され、高くなると肝硬変の可能性があり、肝がんができやすくなります。脂肪肝やウイルス性肝炎、自己免疫性疾患などに長期に罹患すると肝臓が硬くなってきて、肝硬変に進展し、肝がんができやすくなります。肝がんの発生には肝線維化が関係しており、線維化が進展する前に治療介入することが重要となります。

*FIB-4 indexは目安であり、高いと必ず肝疾患があるわけではありません。高齢の方や血小板が低い方は数値が高くなりやすいので、肝臓専門医にご相談ください。

熊本大学消化器内科が中心となって行っています「熊本脂肪肝プロジェクト」の核となる検査となっており、計算サイトがありますのでご活用ください。

病院や健康診断でもらった採血結果にAST、ALT、血小板値があればすぐに計算できます。

最近、健康診断や病院での採血の結果にFIB-4 indexという項目があることはご存じでしょうか。おそらく知らない方が大半ではないでしょうか。そして健康診断でFIB-4 indexが高くて要精査になったときに「これ何?」となるのではないかと思われます。医師の中でも知らない先生も多く、知っていても重要性を感じない方もおられるのが現状かと思われます。

B型肝炎、C型肝炎の治療がある程度確立され、コントロールが出来るようになってきましたが、近年の脂肪肝の増加に伴い、脂肪肝からの肝硬変、肝がんが増えてきています。脂肪肝はありふれた病気であり、以前はあっても気にされることはなく、放置されることが多い病気でしたが、脂肪肝からのがん化が増えてきていることから早い段階から治療介入が必要と言われるようになってきています。脂肪肝の方は沢山いますので、すべての方を診療することは難しく、肝線維化が進んでいる脂肪肝の方を見つけることが必要になります。線維化を詳しく調べるには以前は肝生検しかありませんでしたが、最近では超音波検査やMRIでも調べることができるようになりました。それでもすべての病院で検査できるわけではなく、そもそも病院を受診しなければいけないので、ハードルが高く、拾い上げは難しい状況でした。また、「脂肪肝について(非アルコール性)」で詳しく解説しましたが、脂肪肝の治療は食事・運動療法が基本であり、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの併存疾患があれば、その治療を行うこととなっています。言い換えると脂肪肝の特効薬はないということであり、脂肪肝が進んでしまうと改善することが難しいということです。ですので治療が必要な脂肪肝の方を早めに見つけて治療介入することで、肝硬変への進展やがん化を防ぎ、がん化しても早期に発見・治療ができるようにすることが必要となってきます。そもそも線維化が進展している脂肪肝を見つけること自体が難しい状況なのに、進展すると治療自体も難しくなりますので、簡便に拾い上げができるツールとして最近様々な繊維化マーカーが出てきており、その一であるFIB-4 indexが広く普及してきています。理由としては一般的な採血項目であるAST、ALT、血小板と年齢から算出されるので、すべての病院で実施でき、健康診断の結果からでもわかるので拾い上げのツールとしては使いやすいことが挙げられます。

*FIB-4 indexは脂肪肝はもちろんですが、ウイルス性肝炎、自己免疫疾患などの拾い上げにも有用です。

FIB-4 index 結果

こちらは熊本大学消化器内科が設定した数値の基準です。FIB-4 indexは高齢な方は高くなりますので、65歳を境に基準値が変わります。

FIB-4 indexはあくまでも目安であり、高いから必ず肝硬変があるというわけではありません。精密検査を受けやすくするツールであり、精密検査の結果次第で今後の方針が決まります。AST>30で精査を勧める「奈良宣言2023」もそうですが、肝硬変、肝がんを減らすために様々な試みが行われています。

熊本市東区の成田クリニックでは肝臓専門医による肝臓外来を行っています。FIB-4 indexが高いときはもちろんですが、中間値の方もお気軽にご相談ください。

肝疾患に関しては肝臓外来もご覧ください

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